賃貸を契約する際の見積り内容に関して仲介業者に完全にお任せしてしまうと本来は不要な費用も払ってしまい高額になるケースがあります。少なくとも大きく騙されないように最低限抑えるべき点を今回まとめました。
新しく賃貸を借りる人にとって参考になれば幸いです。
本記事では
- 見積り費用を安くする手順
- 値下げ交渉が可能な項目
以上の内容で順に解説していきます。
見積り費用を安くする手順
私が実際に使用するテクニックを以下に解説していきます。
まずは事前にネットで相場を確認する。
複数の業者に同じ物件の見積もりを請求する。
見積書を武器に値下げ交渉を実践する。
相場を把握する
まずは相場を把握することが重要です。今回は賃貸なので以下の項目の相場を事前に把握する必要が有ります。
項目 | 相場 |
---|---|
家賃 | 物件によるため狙いの物件以外の近い条件のものを可能な限り把握しておく |
敷金 | 家賃の1~2か月分 ※無しの場合も退去時に原状回復費用請求あり。 |
礼金 | 家賃の1~2か月分 ※本来家賃に含むべきものなので最近は無しの場合が多い。 |
仲介手数料 | 原則家賃の0.55か月分 ※家主と1.1か月分を折半(宅建法) |
保証料 | 家賃の0.5~1か月分 |
火災保険 | 年間4000円程度 |
- 家賃
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これは物件の立地や間取り、築年数に影響される為一概に相場を記載することが不可能ですが少なくとも狙っている物件と近い条件のものの家賃を1か所以上は事前に把握しておきましょう。
- 敷金
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敷金は賃料や退去時の原状回復費用の未払いに対する備えとして先に支払いするものです。そのため基本的に原状回復が済んだら残った費用は返金されます。ただし敷引きや償却分があると何%か引かれてしまうので契約前に十分確認が必要です。近年では敷金がないパターンがありますがその場合でも退去時には原状回復費用が請求されることとなります。
- 礼金
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礼金は借り手が入居時に家主に対して御礼として支払う費用です。元々は震災によって家を失った人達が優先して家を貸してくれた家主に対して感謝の気持ちを込めて支払ったことが礼金の始まりと言われていますが、これを利用して本来家賃にも利益が含まれているにもかかわらず更に借主にお金を請求する悪しき慣習となってしまっています。御礼なので本来請求されて払うものではありませんので納得できない方は礼金無の物件を探すか交渉するようにしましょう。
- 仲介手数料
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仲介業者に対して支払う物件の紹介料です。宅建法にて借主と家主で合計して家賃1.1か月分を上限として請求できることが規定されています。悪質な仲介業者の場合は家主からも仲介料を貰っているにも関わらず借主に対してこっそり1か月分の仲介手数料を請求する場合がありますので注意が必要です。
- 保証料
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元々は保証人を立てて契約をしていましたがそれでも未払い等のトラブルが相次いだため近年では民間の保証機関を利用することが主流となっています。
- 火災保険
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多くの場合賃貸契約時に仲介業者おすすめの火災保険に加入することなります。しかし実際にはほとんど場合がぼったくり保険ですので契約書に指定の火災保険でないといけない旨の記載がない限り火災保険は必ず自分で加入するようにしましょう。
相見積もりを取る。
相場をある程度把握できたら実際に見積もりを取っていきましょう。可能であれば同じ物件を複数の仲介業者から取得しましょう。理由は以下の2点です。
- 騙される可能性を下げられる
- 業者同士を競わせることができる
- 騙される可能性を下げられる
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借主である我々は大抵不動産の素人です。しかし相手はもちろん不動産のプロです。つまり明らかに相手の方が有利なので悪徳業者(営業)の場合金銭的に騙されるリスクがあります。そこで相見積もりを他の業者でもいくつか取得することで、ある程度フィルタをかけることができます。この時点で明らかにおかしい見積もりの業者は排除していきましょう。
- 業者同士を競わせることができる
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いくつかの業者の見積もりを取得したうえで安い業者を2社以上選びましょう。営業に対して他社からも見積もりを貰っている事を伝えるだけで明らかに対応は変わります。
交渉する
ここまで来たら実際に交渉を開始していきましょう。そのうえで念頭に置くべき事項は以下3点です。
- 第1志望ではないことを伝える
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交渉する上で重要なのが相手にライバルがいることを伝える事です。実際に費用の詳細について話す段階になったらより低い価格を提示している業者がいると伝えましょう。また具体的な数字を出すことで対応してもらえる可能性が高くなります。
- 相手にも利益が必要である
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たしかに可能な限り見積もりを安くできれば借主側としては嬉しいのですが相手への配慮も交渉する上で重要です。相手は営利目的で仕事をしているので正当な報酬は与える必要が有ります。自分の想定している費用と大きな乖離がない、もしくは安い項目については不必要に交渉せず納得のいかない項目に限定して交渉していきましょう。相手への理解を示すことによりこちらの要望が通る可能性も高くなります。
- その場で決断しない(極力メールで対応)
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最も重要と言っても過言ではないのが「その場で決断しないこと」です。営業の常套手段として「今決めてもらえれば」や「今決めないと」というワードで借り手の判断能力を鈍らせる事があります。自分のペースで正常な判断をするためにも「持ち帰って検討します」と言えるようにしましょう。また発言の証拠を文字で残すことができるので最初からすべてのやり取りをメールで実施することを推奨します。
値下げ交渉が可能な項目
交渉できる項目については大きく分けて2つです。
・そもそも不要な項目
・相場や他の業者より費用が高い項目
そもそも不要な項目
仲介業者が提出する見積もり上に確実に不要な項目がありますのではっきりと不要だと伝えましょう。この項目は営業にとっても利益が大きい部分なのであの手この手で外さないように仕向けますが毅然とした対応が必要です。
・消火器(ファイテック等)
・室内消毒、害虫駆除
・火災保険
・仲介手数料以外の手数料
- 消火器
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本来は家主の費用で設置すべきですが見積もりに記載がある場合があります。。。
- 室内消毒、害虫駆除
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スプレーでシュッシュするだけです。。。
- 火災保険
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保障(借家人賠償責任や家財補償)が十分で且つ保険料が適切か確認しましょう。年間4000円で十分な保険に加入できますのでそれより劣る場合は自分で加入しましょう。
- 仲介手数料以外の手数料
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基本的に業者は仲介手数料以外の手数料を請求してはいけません。
相場や他の業者より費用が高い項目
以下の項目は相場と相見積もりした結果をベースとして交渉していきましょう。
家賃自体の値下げ交渉は家主にとっても定期的な収入減につながる為ハードルが高いです。相談するとしても1000~2000円を目途にしましょう。ただし家賃交渉において「フリーレント(家賃1か月分免除)等」の場合は一時的な費用の為要求が通る可能性が比較的高いです。
仲介手数料に関しては先述の0.55か月分を超えている場合は必ず指摘するようにしてください。
保証料についても適切な費用かを確認するために保証会社の名称を聞いておきましょう。当日決断せずいったん持ち帰りホームページ等での確認が大事です。
フリーレントは意外と要求が通る上に大きな減額を期待できます。
まとめ
今回は賃貸を安く借りるための手順と実際に値下げ交渉が可能な項目についてまとめました。丸腰で契約をすると高確率でぼったくりにあってしまうのが賃貸契約です。最低限の知識武装はしたうえで臨むのが好ましいでしょう。
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